Only a relation of body is all right
『超人特別機動警察隊…が何故アンタッチャブルなのだ?アンタッチャブルはFBIの専売特許であろう?』
『"俺のハニーに触れるんじゃねぇ!!"という意味だ!!』
『…"俺のハニー"とは何方様で御座るか?』
『何を言っている!!お前の事に決まっているだろうが!!』
『……?!』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ それは 愛の告白 なのか ?
「……」
割と最近ではあるが、過去の阿呆な遣り取りを夢で見て、目が覚めた。背中には何だか嫌な汗がじっとり滲む。
隣には全裸で眠りこける深緑ベースの覆面を纏った男。覆面は着衣に入らないからやっぱり間違い無く全裸。
そして自分は半裸、しかも上半身だけ着衣の半裸。二人揃って情けない事この上無い。
内腿に、出来た理由は言いたくないが見た目だけは微妙に可憐な桜色の痣がぽつぽつと散る。
おまけに義眼が妙に異随い。成分には言及したくないが蛋白質が張り付いてしまったからだと思う。
行為の直後に風呂入りたいといつも思っているが、大抵気を失うまで責め立てられるから無理で、今回もまた無理だったらしい。
だが風呂に連れて行ってもらったらもらったで、其処でエクストララウンドが始まってエラい目に遭った過去など忘れたい。
でも気持ちイイから何だかんだ言って…自分がそんなに快楽主義だとは思わなかった、というか知らなかった。
あ ぁ 暑 い し イ ラ イ ラ す る
ニンジャは手近に有ったガウンを纏うと、バスルームに向かった。乱暴にシャワーを引っ掴むと、頭から冷水を浴び、目を閉じる。
そして、目を閉じたまま、火照る躯を冷ましながらいつものイライラを反芻し、奥歯を噛む。
躯だけの関係のくせに 愛だの何だのと理由を付けなければ自分を抱けないあの男にイライラする
愛してる 愛してる 愛してる 愛してる 愛してる ……
そう言わないと抱けないかの様に 否 そう言わないと抱けないのだろう
そして 言われないと … 愛していると言わない限り 抱かない
それ程に 言葉などが 必要なのか 口先の同意が どうしても必要なのか
だからどうせいっそ躯だけなのだから 言葉など無い方が楽なのに
見えぬものも 触れることが出来ぬものは 何となく 要らない気がする
言葉なぞ 要らない と 言い切れない自分にも イライラする
…別に あの男自身が嫌いな訳では 無い か ら …
寧ろ嫌いなのは 自分も本当は結構好きだと 屈託無く 伝えられない事だと … そう 認めたくは 無い
いつもいつも同じ事を考え、水を浴び続けて躯は冷えきるのに、同じ事を繰り返す自分にも更にイライラする。
そしてまたいつもの様に、寒気を感じた所でシャワーを浴びるのを止め、バスローブを纏ってベッドに戻る。
静かに布団に潜り込んだつもりだったが、目を覚まさせてしまったのか、薄ら開いたアタルの瞳と目が合う。
「…済まぬ、起こすつもりでは無かったのだ」
「…イヤ、たまたま目が覚めただけだ」
アタルは僅かに身を起こすと、ニンジャの躯を抱き締め、ベッドに引きずり込む。
「…随分、躯が冷えているな…」
しっとりと水分を含むニンジャの髪を撫で付け、耳元で囁く。
「…水を、浴びたのでな……どうせ、もう眠るし、躯が冷える位は、構わぬ…」
ニンジャはされるがままになりながら目を閉じる。
「…そうか」
アタルは静かにニンジャの躯を抱え直すと、腕枕をしてやり、冷えた総身を暖める様に躯を寄せた。
冷えきった躯に暖かい腕の感触は心地良く、ニンジャも応じる様にアタルの躯に身を寄せる。
そして、微睡み融ける意識の中、ニンジャはいつもの様にアタルが自分の唇に口付けを落としたのを感じた。
… 眠くて 確認する気など 起きない が … また マスクは 外している 様だ …
此処で 頑張って目を開けて 顔を見てしまったら この男 故郷の掟とやらに従い 死ぬのだろうか … ?
… 真意を 確認する気など 起きな い し …
… そう どうでも 良い し …
… でも 今度 … 躯だけ で は 駄目 なの か と … 聞いて み よ う …
… 駄目だと 言われたら … 好きだと …
…伝えてみようか、と意識が意図を紡ぐ前に、ニンジャは眠りに落ちた。
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微妙に心根が悪魔超人残ってる風なニンジャさんです。
相思相愛だけどそういうラブラブも面倒とか思っちゃう
まだまだヒヨッコです。こーゆー時代も有ったんです、と
言ってみる←何それ。
23/OCT/2004
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